お墓を建てるということは、人生でそう何度も経験することのない大きなお買物です。お墓はご家族の子孫末代にいたるまでの大切な基盤であり、心の拠り所にもなります。納得のいくお墓づくりをしていただくために、ここでは墓地選びのご提案やご購入の手順についてご紹介いたします。
墓地を永代に渡って使用するために墓地所有者(霊園やお寺、自治体)に支払う使用権利料です。これを支払うことで得られる権利は「墓地の使用権」です。この使用権は墓地の規定に基づき墓地の継承が続く限り行使できます。
墓地に建立する墓石のためにかかる費用全てが含まれます。墓石、外柵、カロート(納骨棺)、花立、香炉などの石材製品、基本的な彫刻、基礎工事、据付工事の工事代金、花立や香皿などの金物付属品の代金と消費税です。石材の種類や加工により異なります。
墓地使用者が管理者に支払う費用です。墓地内の維持管理のために、敷地内の清掃や施設の整備などに充てられます。一般的に年払いとなり、金額は墓地の広さなどで異なります。霊園や墓地の規定で永代使用料と合わせて一定年数分を先払いで納める場合も。
寺院墓地を求める場合、その寺院の壇家となる場合がほとんどで、永代使用料とは別に決められた金額を納めます。寺院墓地の場合は管理費の他に、お寺の維持発展のために充てられる護持会費を納めることがあります。
お墓を建てる時期に決まりはありません。公営霊園などでは「3年以内までに建立」などの規定を設けている所もあります。大切なのは、建てる時期ではなく供養の気持ちです。一般的には、四十九日や年忌法要、お彼岸や祥月命日など親族や関係者の集まりやすいときに合わせてお墓を建て、納骨式と開眼供養を同時に済ませることが多いようです。
生前にお墓を建てることを「寿陵」といいます。家族に経済的な負担をかけずに済むだけではなく、相続税や固定資産税の課税対象外ですので、生前にお墓を建てることで節税にも。仏教では、生きているうちに自らの供養のためにお墓をつくることを「寿陵」といい、功徳の高いこととされています。
お墓に課せられる税金は、墓石工事代にかかる「消費税」のみです。購入する際の「取得税」や、継承する際の「相続税」はかかりません。墓地の所有権はあくまでも墓地を管理運営する側にあり、永代使用料を支払って得る権利は所有権ではなく、使用権です。ですから「取得税」の対象から外れます。また、所有する財産を継承するわけではないので「相続税」も必要ありません。「固定資産税」も課税されません。
お墓の継承は墓地の使用権を引き継ぐことと、祭祀の主宰を引き継ぐことの二つを意味します。一般的にその家の長男が継ぐ慣習がありますが、血縁者であれば女性でも継ぐことができます。お墓を継承する際は、墓地管理者に使用者の名義変更の手続きをします。霊園の場合は使用規則や契約約款などに「使用権の継承」という項目があります。
墓地は第三者に譲渡することはできません。なぜなら、墓地の所有権は墓地管理者側にあるからです。使用権を譲渡や転貸することもできません。改葬などで使用していた墓地が不要となった場合は墓地管理者に申出て、手続きをします。
墓地を永代に渡り使用する権利です。永代使用料を支払い、手続きを経ることで得られます。この権利は墓地の規定に基づき、条件(管理費を納めるなど)を満たし、お墓の継承が続く限り行使できます。この権利は祭祀主宰と同様に継承することは認められていますが、第三者に譲渡、転貸することはできません。
墓埋法は正式名称を「墓地、埋葬等に関する法律」といい、お墓や埋葬について定められた法律です。墓地は都道府県知事の認可を受けて設けると決められています。その経営も都道府県の認可を受けた者に限られています。また、墓埋法で土葬が認められていても、都道府県の認可を受ける際に「埋蔵は焼骨のみ」という条件があれば、その墓地には遺体をそのまま埋葬することはできません。埋葬、納骨にも許可証が必要、改葬にも許可証が必要と細かい決まりがあります。※2012年4月1日より、都道府県の許可から、市町村役場に変わります。